CALENDAR
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     
<< October 2011 >>
SELECTED ENTRIES
RECENT COMMENTS
  • インタビュー受けました。
    文 (08/21)
  • インタビュー受けました。
    makiko (08/18)
  • 正しさよりも
    文 (08/06)
  • 正しさよりも
    つむぎ (08/04)
  • 血糖値を意識して:その後の体調の変化
    文 (06/22)
  • 血糖値を意識して:その後の体調の変化
    くらら (06/21)
  • 血糖値を意識して:その後の体調の変化
    文 (06/18)
  • 血糖値を意識して:その後の体調の変化
    くらら (06/17)
  • 最近の体調から:血糖値を意識して食べるのはやっぱり重要みたい
    文 (05/22)
  • 最近の体調から:血糖値を意識して食べるのはやっぱり重要みたい
    makiko (05/19)
CATEGORIES
ARCHIVES
twitter
PROFILE
OTHERS
MOBILE
qrcode
SPONSORED LINKS


low/raw+slow/throw
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| - | | - | - | pookmark |
あなたがあなたにやさしい世界

13歳のとき、幼馴染の女の子が拒食症になった。
中学に上がるのと同時に北陸から九州へ引っ越した私の家へ、中学の最初の冬休みだったか、彼女は一人で遊びに来た。高速バスに乗って。

最初に会ったとき、随分と痩せたな、と思った。
少し大人しくなっていてご飯もあまり食べたがらなかった。
一緒にお風呂に入ると彼女の身体にはあばら骨と背骨がくっきりと浮き出ていて、「骨ってこんな風に見えるものなんだ」と不思議に思ったのを覚えている。
でも十三歳の私にはそのことの意味がよくわからなかった。
彼女は「肌にいいんだよ」と出されたはと麦茶をとてもたくさん飲んで、私がお正月に買ってもらったばかりの少し高い靴(先が丸く膨らんだかわいいぺたんこ靴)を見せたら、「履いて歩いてみたい。貸して」と言って、その靴を履いて近所を歩きに行ってしまった。
人の靴を履きたがるという感覚が私にはよくわからなかった。自分のものになるわけじゃないから。でも不快ではなかったし、それについて深く考えはしなかった。
夜は私の部屋のベッドで一緒に眠り、電気を消してからいつまでもお喋りをしていた。私はいつものごとく家族の面白い話なんかをしていたのだと思う。「いいなぁ」と彼女は言った。「あやの家ってなんだかホームドラマみたいだ」
実際のところ、そんなに整った家庭ではなかったと思う。まだ精神の幼い私は、身の回りのいい部分ばかりを抽出してわざわざ人に自慢するような癖があったから。でも自分の持っているものが最高のものだと思えるというのは、きっと随分幸せなことだったはずだ。それが眩しく映ったんだろう。

続きを読む >>
| こころのこと | 20:41 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |